■本人の主訴
・過去に挿入したプロテーゼに違和感がある
・鼻先が変形している
■当院医師の見解
数年前に挿入したプロテーゼが少しずつずれてきて、鼻先が変形してしまった方の症例です。実際に見てみると、右側の小鼻が変形している他、横から見ると鼻先が上に上がっている状態(アップノーズ)になっています。過去に挿入したL型プロテーゼが経年変化によってこのような状態になったと思われます。
このような場合、修正手術としてプロテーゼの入れ替えを行うと、新しく挿入したプロテーゼがポケット状に空いている部分(プロテーゼを抜いたスペース)に再び入ってしまうことが想定されるため、私の場合はプロテーゼの入れ替えではなく、鼻尖形成術によって修正を行うことが多いです。鼻先のみの操作になるため手術が大掛かりにならない上に、手術後の赤み、腫れなども抑えることができる点がメリットです。
プロテーゼをいれないと鼻根部に高さが出せないというデメリットもありますが、実際に写真を見てみると、鼻根部に高さがなくても違和感もなく、逆に自然な状態になっているといえるのではないでしょうか。また、鼻尖形成術を行うと、ぶた鼻(アップノーズ)になるのではと心配される方もいらっしゃいますが、そのようなことは一切ない点も写真からわかるかと思います。
下からみた写真でも比べてみましょう。
プロテーゼを抜去しても、高さはそこまで大きく変化しておらず、鼻柱がまっすぐになっているのがお分かりいただけますでしょうか。
■手術について
実際に挿入されていたL型プロテーゼがこちらです。緑の矢印部分が次第に上に上がってきたため、アップノーズになってしまっていたことが想像できます。
今回はプロテーゼを再び入れることは行わず鼻先への操作のみで高さを出しましたが、この方法は術後の腫れが少ない反面、鼻先などの形状が安定するまでに2,3か月ほどかかるため、術後数か月は、鼻に大きな力で負荷をかけることがないようにしてください。
※本症例の関連動画はこちらです。
(出血シーンなどがあるためご注意ください)
■術後の様子
■留意点
プロテーゼを抜去後に鼻尖形成術によって鼻先に高さをだす手法は、私が好んで行う手術の一つです。軟骨移植などを行わない鼻先のみの手技となるため施術後の赤み、腫れといったダウンタイムが少ないのですが、鼻先にしっかりと高さを出すと術前のイメージとそれほど変わらないため、患者様の満足度が高いためです。
「鼻に高さを出したい」「小鼻を小さくしたい」など、目的は同じであっても医師によって施術方法には多少の違いがあります。特に修正術の場合、初回の手術による組織の癒着や瘢痕などがあり複雑な手術になることが多いため、症例数が多い医師を選ぶようにすると間違いが少ないのではないかと考えています。
■手術における副作用・デメリットなど
個人差がありますが、手術後に赤みや腫れ、内出血などが生じることがあります。また、一時的に状態が悪化して見えることもあります。
■手術費用 ※価格はすべて税込み
- 鼻シリコンプロテーゼ抜去(他院)
- 220,000円
- 鼻尖形成修正
- 330,000円