■本人の主訴
・以前注入したアクアミドを除去したいが、鼻の高さや鼻尖の形状は引き続きすっきりさせたい
■当院医師の見解
今回はプロテーゼではなく、「アクアミド」という製材を過去に注入した方が除去を希望されてご来院されました。
アクアミドにはヒアルロン酸のような効果が期待できる製剤で、鼻を高くする、唇にボリュームを出す、しわをなくすといったプチ整形で使用されてきました。アレルギー反応が少なく効果も長く続くため、数年前まではアクアミドを使用する美容クリニックは国内に沢山ありました。しかし、体内に吸収されにくいというメリットの反面、一度注入すると皮下組織の隙間に入り込んでしまい除去がとても困難でやり直しがしにくく、また一部では異物反応や感染といったトラブルが起きることもあり、昨今ではあまり使用されてないのが現状です。
私自身も過去に他院で注入したアクアミドの除去手術を何度か行っていますが、皮膚や組織に一体となるように癒着していることが多く摘出がとても困難だったことがよくあります。逆にアクアミド除去さえ成功すればその後の手術にはほぼ影響がないため、修正手術自体は治療計画通りに進むことがほとんどです。
今回の方は、以前注入したアクアミドを除去しつつ、鼻先や鼻筋はすっきりとした状態を維持したいとのことで来院されました。
■手術について
今回はアクアミド除去後に、高さを出すために鼻尖形成術(団子鼻手術)を行いました。
術前と術後の横顔写真で比較してみると、以前よりも鼻先が少し下方向に移動しており、また高さも増しているのがわかりますでしょうか。(写真3,4)
斜めから見た様子です。(写真5,6)鼻筋も以前よりもすっきりとして見えるかと思います。
診察の際に、「鼻先の手術をするとブタ鼻(アップノーズ)になると聞いた」とおっしゃる患者さんがおります。他院でそんな話を聞いたとのことですが、これは左右の鼻翼軟骨を単純に寄せた場合の話です。私の場合、糸の留め方や鼻翼軟骨の処理に工夫をしているため、アップノーズになることはありません。同じ手術名でも、結果は医師やクリニックによって異なる点をご理解いただければと思います。
ちなみにこの方ですが、修正手術中に鼻先の組織とともに『糸』が出てきました。(写真7)
ご本人は糸を挿入してもらった記憶はないとのことですが、なぜこの手術でこの部分に糸を挿入しているのかは私にも全く分かりません。
いずれにせよ、手術をする際には事前に手術内容や見積の詳細をしっかりと確認することをお勧めします。
※本症例の関連動画はこちらです。
(出血シーンなどがあるためご注意ください)
■術後の様子
以下は術前後の前から見た比較写真です。鼻筋が細くなり、鼻尖もすっきりとしています。
■留意点
同じ手術名でも、医師やクリニックによって手術方法は大きく異なります。そのため、事前に執刀する医師が実際に行った手術結果をいくつか確認することをお勧めします。
■手術における副作用・デメリットなど
初回の手術と異なり、2回目の手術では前回の手術によって生じた瘢痕や癒着を剥離する作業などが発生するため、手術後に赤みや腫れ、内出血といったダウンタイムが半年程度続くことがあります。
■手術費用 ※価格はすべて税込み
- 移植物除去(手術中に行う場合)
- 66,000円
- 鼻尖形成修正術
- 330,000円