■本人の主訴
・他院で鼻尖形成術を行ったところ、鼻先(鼻尖)が尖りすぎた
■当院医師の見解
他院で鼻尖形成術(軟骨移植・鼻翼軟骨縫縮術)を行ったところ、術後に鼻尖(鼻先)が尖りすぎてしまったという症例です。
前から見るとそこまで変化がわかりにくいかもしれないですが(それでも術前の写真をよく見ると鼻の頭部分に丸みが生じているのがご理解頂けるのではないかと思います)、左のように斜めや横から見た写真ですとより分かりやすいかと思います。この場合、鼻尖に移植した軟骨のボリュームを減らして高さを調整する修正術を行います。
なお前医がどの程度軟骨を移植しているのかわからないため、修正術の場合は鼻柱から切開を行って鼻内部がしっかり見える形(オープン法)で手術を行うことがほとんどです。
■手術について
手術中の写真です。(写真9)
黄色の矢印で刺している部分が、前回の手術で移植された軟骨です。また黄緑色の矢印で示している部分は鼻翼軟骨です。鼻翼軟骨は、左右の軟骨を中央に寄せて縛り合わています。(鼻翼軟骨縫縮術)
実際に鼻の状態を確認したところ、移植した軟骨を摘出してしまうと中央で縛っている鼻翼軟骨の形状が鼻の表面に出てしまいラインに影響を与えてしまう可能性が高いと判断しました。そこで左右の縛り合わせられた鼻翼軟骨を改めて剥がして、改めて形状調整をした上で鼻尖のラインを形成することにしました。
実際に鼻翼軟骨縫縮術による癒着を剥離している写真です。(写真10)
丁寧に剥離を行わねばならず熟練の技術が必要となる根気のいる作業です。その後改めて軟骨を縫い合わせて高さを調節し、切開部分を縫い合わせて終了となります。
■術後の様子
術後1週間の抜糸時の写真です。(写真11.12.13.14)
鼻尖(鼻先)部分のみの修正術のためそれほど腫れが生じていません。
■留意点
鼻尖の修正手術で他院(初回手術を行ったところとは別のクリニック)にカウンセリングに行った際に、「鼻尖軟骨移植で移植した軟骨を全部摘出すれば元に戻ります」と医師に言われたそうです。
しかし、これは鵜呑みにしてはいけません。移植軟骨を単純に摘出するだけでは、逆に鼻尖に凹みが生じてしまうことがあります。前回の手術詳細を我々は知らないためどの程度軟骨を移植しているのか把握することができません。そのため、実際に手術を行って内部の状態を観察した上で調整を行う必要があります。(逆に初回担当医であれば自分で軟骨をどの程度移植しているのか把握しているため切開前に手術計画を立てることができるでしょう)
■手術における副作用・デメリットなど
修正手術は、初回担当医の手術法や内部処理の状態によって難易度が変わります。そのため癒着がひどい際には剥離作業に時間がかかることになるため術後の腫れ・内出血なども比較的大きくなることが多いです。これらの想定されるダウンタイムについては、実際に手術を行ってみないと判断がつかないことも多くあります。
■手術費用 ※価格はすべて税込み
- 鼻尖形成術修正(だんご鼻解消術修正・鼻尖軟骨縫縮修正)
- 324,000円